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[495] 石ころ  aoki@dwks  - 2019/06/11(火) 00:30:37 -

ひとつの灯りが立ち去った。 真夜中の公園は相変わらずベンチが点滅している。いくつかの灯りが消え、いくつかの灯りが点く。ベンチに座る人、ベンチを立ち去る人。そんな光景が遠く彼方にまで繰り広げられています。わたしのベンチもまた、彼方からは点滅するベンチのひとつとして映るのでしょう。 立ち去った灯りが座っていたベンチの端を見ると、暗がりの中に小さな塊がある。手に取ってみると、石ころだった。 いつからあるのだろう....。 公園の石がベンチの上に置かれている。 いや、公園の石とは限らないのかもしれない。 あの灯りの忘れものだろうか...。 それは今、わたしの掌にある。 石ころは、片手で握ると手の中に隠れてしまうほどの大きさだ。表面はなめらかで丸みを帯びている。最初はひんやりと冷たさがあったが、握っているうちに温もりが出てきた。 わたしの体温が移っていったのだろう。不思議なものだ。冷たい石がわたしとの接触で温もりを帯びてくる。 わたしは冷たくはならない。 わたしはわたしの中で発熱している。 一定の温度を保つように発熱している。 石ころは発熱しない。 周りの熱を吸収する。 周りが冷たければ石ころも冷たくなる。 周りが熱ければ石ころも熱くなる。 石ころは一定の硬さを保っている。 周りと衝突すれば、 周りが柔らかければ周りが崩れる。 周りが硬ければ石ころが崩れる。 石ころは自ら動くことはできない。 置かれる環境からの影響で石ころは姿を変えて来たのだろう。 岩が砕けて石ころになっていく。 水に流されて丸みを帯びていく。 削られた粒は砂になっていく。 はて、はじめの大きな岩はどのようにして作られるものなのか....。 そんな繰り返しが石ころにはあったのだろう。 わたしは石ころの過去を知らない。 ただ、今は石ころがわたしの掌に収まっている。 開いては握り、握っては開く。 わたしはそうやって石ころの感触を確かめている。 わたしの石ころよ。 自分では動くこともできず、周りからの影響を受けながら姿を変えてきた。 すべてを受け入れ、すべてを受け止めてきた。 今在る石ころは、わたしの手の中に。 さて、どうしたものか。 何も語らず、ただ在る石ころ。 石ころは美しい。 ただ在る、それだけで美しい。 わたしには石ころをつくることはできない。 唯一無二の石ころだ。 わたしは石ころが在ることに感謝する。 ありがとう。

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[494] 複眼に聞く aoki@dwks 2019/06/08(土) 23:32:42
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