バトンプロジェクト:二坪の眼
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[1099]気袋2「ギフト」
by aoki@dwks
5f85292036
[2021/01/11(月) 11:35:10]
re:[#517]
http://div.36way.net/bbs/brd/ad138/upload/576_pbenchi_1-12.pdf
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■気袋2「ギフト」
乳母車を引く、老婆。
闇の中から現れた。
ゴロゴロと近づいて来る。
あれ?さっきのばぁさんか?
ゴロゴロと音もなく近づいて来る。
あの乳母車は、やっぱりさっきのばぁさんだ。
「やっぱり、ここにおったな。」
「さっき会ったばかりじゃないですか。忘れ物ですか?」
「そうか...まだ気付いておらんようじゃな...。」
「へ?なにが?ですか?」
「あんたに会ったのは一年以上前じゃ。わしは、ずっと気袋を集めては捌いておった。」
「一年?ですか?わたしはそんなに長くここに居ませんよ。まだ眠ってもいないのに。」
「ふむ。わしが悪かった。時間なんて有って無いようなモンじゃからな。気にせんで良い。それより、あんたの気に引き合いがあってな。報告に来たんじゃよ。」
「わたしの気、がですか....」
「そうじゃ。この中を覗いて見れ。あんたには判るじゃろ。」
「ひとつだけ、光ってます。」
「それを手に取りなされ。“ギフト”じゃよ。」
「ギフト?」
「その気の光は、あんただけに見える。わしには見えん。」
わたしは両手でその気袋...