バトンプロジェクト:二坪の眼
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[558]■闇の壁
by aoki@dwks 
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[2019/12/13(金) 05:32:35]
扉を開けたら闇だった。
闇が壁となって口を開けている。
その形相には魅惑が漂っている。
来る者を阻みながら手招きする。

そして、戸惑い。
暗黒の壁、とでも言うのだろうか。

私は立ち尽くした。
暗黒の壁を前に。

入口なのか?出口なのか?
入るべきか、入らざるべきか。

私はその扉を開けてしまった。
私は暗黒の壁を見てしまった。

好奇心。

入れるものだろうか?
戻れるものだろうか?

暗黒は未知の世界。
形もなければ色もない。
凹凸もなければ濃淡もない。
均一ののっぺりとした闇、壁。
闇とはこういうものなのか。

闇は発光しない。
闇は沈黙する。
闇は振動しない。

闇の中に埋まる?
壁の中に埋まる?

塊なのか、広がりなのか。
それさえも解らない。
それが私を身動きできなくしている。
それが暗黒の力かもしれない。

さて、と。


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