バトンプロジェクト:二坪の眼
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[503]まどろみ
by aoki@dwks 
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[2019/07/04(木) 08:44:06]
身体の細胞が少しづつ意識と結びついていく。
瞳は瞼の中で目覚めをぼんやりと自覚する。
肩から腕へ指先へとジンジンと熱い。

どれだけ眠っただろうか?
まだ、半分は眠っている。
しばらくは、眠気に身を任せておこう。
すっかり目覚めるまで。

わたしは眠っていた。
今、目覚めようとしている。
このまどろみの中で。

眠り人が展開するおぼろげな残像。
脈絡のないスライドショー。
雑踏の中で絡み合うノイズ。

その奇妙な展開が不思議と心地よい。
現実ではない、夢の中での出来事。
という安心感。
この展開の先に、きっとまだ何かがある。
という期待感。

わたしは「眠り」の中のわたしを知らない。
その「眠り」はわたしの中にある。

わたしは眠りの中へ落ちていった。
わたしの中の眠りに落ちるわたし。
わたしの中の眠りに落ちたわたし。
わたしが知り得ないわたしをわたしが内包している。
不思議な構造だ。

わたしはわたしをわたしの中に探している。

でも、やっぱり探しきれない。
いつものことだ。

期待は叶わず、目覚めを迎える。
一瞬のこと。
ぼんやりのすべてがかき消される。
いつでもそうだ。

奇妙な展開が織りなす幻影は、
持ち帰ろうとするも...
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錯覚

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